A.差金決済とは、受渡日に売付有価証券や買付代金の提供を行わずに、買付金額と売付金額との差額（差金）のみにより決済を行うことです。
証券会社が現物株取引において差金決済を受付けることは、信用取引を除いては金融商品取引法等の法令（＊1）で禁止されています。
現物取引で「同一国内受渡日（＊2）」に「同一資金」で「同一銘柄」の売買を複数回行った場合、差金決済となります。
例えば、同受渡日（同日）の同銘柄の同一資金による「買付⇒売却⇒買付」又は「売却⇒買付⇒売却」は、差金決済取引に該当する場合があります。
また、同受渡日（同日）の同銘柄の預り分と日計り分の売却についても同様に差金決済取引に該当する場合があります。
〈日計り取引についての取引例〉
例1）買付⇨売付⇨買付
前受金：10,000ドル
銘柄名：A社
前受金10,000ドルはA社の①買付代金に充当されます。A社の②売付は可能です。
③の買付は①②の取引が日計り取引のため、②売付代金を使用しての買付は出来ません。
例2） 売付⇨買付⇨売付
保有株：200株
預り株式A社を①売付⇒②買付は可能です。③の売付は出来ません。
ただし、預り株式が400株以上あれば③の売付を行なうことが出来ます。
＊1：金融商品取引法第161条の2、金融商品取引法第161条の2に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令第10条
＊2：差金決済の受渡日はあくまで国内受渡日基準で判定されます。そのため、日本国内での祝日を挟む米国株の現物取引の場合、現地約定日が異なっても差金決済となる可能性があるため、ご注意下さい。
